DeepLお客様事例: 「いつでも、どこでも、誰とでも」働けるグローバル企業を目指すサイボウズでのコミュニケーションにおけるAI活用

サイボウズ株式会社について

サイボウズは、「チームワークあふれる社会を創る」という企業理念のもと、チームワークを支援するためのグループウェアを開発・提供しています。
 また、サイボウズがこれまで取り組んできた制度・風土改革のノウハウを、研修などを通じて企業・組織に提供するメソッド事業も展開しています。


サイボウズ株式会社 運用本部 情報システム部長
 鈴木 秀一 氏

自己紹介と貴社の会社概要をお願いします。

私はサイボウズ株式会社の運用本部情報システム部で部長を務めております。情報システム部門の主な業務内容としては、社内システム設計・構築・運用などをやっております。具体的には、PCやスマートフォンの手配、備品の手配、ユーザーからの要望対応を行っているチームです。DeepLのようなクラウドサービスの導入や、それらのアカウント管理の運用などをやっているチームと開発を主に担当しているチームの3つから成っているのが情報システム部門で、そちらを取りまとめているというのが私の役割になります。 サイボウズには、グループウェア製品事業、チームワーク強化メソッド事業の2つの事業があります。グループウェアについては、kintone、Garoon、サイボウズ Office、メールワイズという4製品の開発・販売・運用を行っています。チームや組織の情報共有に使うグルーウェア開発企業として、「チームワークあふれる社会を創る」というパーパスを掲げています。

Shuichi Suzuki sitting at a desk with a laptop

近年、力を入れられているグローバル展開についても教えてください。

米国、オーストラリア、中国、台湾、マレーシアやベトナムなど、さまざまな国や地域で、海外向けkintoneのグローバル展開をしているというような状況になります。 採用についても、国籍や母国語を問わず採用を進めています。海外でも使われるプロダクトをつくるのであれば海外の感性が必要だという考えから、海外メンバーの採用を日本でも行っています。開発の一部チームでは、日本国籍、日本語にこだわらず採用をしています。

AI翻訳、機械翻訳の活用が必要だと感じられる部分はどういったところにあったのでしょうか。

グローバルに拠点があり、ベトナム、中国、米国などにオフィスを構えています。それぞれの拠点では日本語を話すメンバーよりそれぞれの自国のメンバーが多いので、拠点によってコミュニケーションの言語が違います。 ベトナムではベトナム語、米国は英語、中国は中国語メインでコミュニケーションしていて、日本は日本語でコミュニケーションしているという状況です。が、全体で見るとどうしても日本語を話すメンバーの割合が多いため、グループウェア上でのコミュニケーションは日本語で多く行われています。 そうすると、日本以外のメンバーはドキュメントが読めない、議論に参加しづらいというような意見が多くありました。そういったところから、言語の壁を感じさせないような支援をしなくてはいけないだろうというところで翻訳系ツールの検討が始まりました。

AI翻訳のツール、機械翻訳も含めて選択肢はいろいろあったかと思いますが、DeepLを検討しようと思ったきっかけはありましたか?

セキュリティが高いであろうということが、公開されている資料からわかったのが一番のポイ ントです。最初に検討したのは4、5年以上前かと思いますが、当時の翻訳ツールは、「入力データを学習データとして活用することで翻訳制度を高めていく」というツールがほとんどでした。 一方DeepLは、当時から入力したデータを速やかに削除します、安全に扱いますということを明言していました。情報システム部門としては、使い勝手よりはまずはセキュリティや運用の容易性というところが気になります。セキュリティ面で一番優れていそうなツールとしてDeepLの検討を開始しました。

Shuichi Suzuki standing in his office

DeepLをご利用いただくユーザーの方々からの評価はいかがでしょうか?

他社製品と比較しても、DeepLの翻訳結果が自然な文章になっているというのは、多くのユーザーから言われています。ほかの翻訳ツールだと、ぶっきらぼうに見える翻訳になっていたり、例文っぽい文章になっていたりするということを言われています。 また、翻訳結果がそのまま利用して良いか判断できず、翻訳し戻したり、一個一個の単語を調べ直したりするなど、気をつけながら翻訳結果を利用していたという問題もありました。が、DeepLは翻訳精度の評価が高く、翻訳結果がそのまま利用できます。そのため、結果的に社員の多くが DeepLを利用するようになりました。 あとは、デスクトップアプリの使い勝手がいいというのも言われています。皆さんショートカットキーを使って、すぐに翻訳にかけるといった使い方をしているようです。
 弊社だと開発に関わるエンジニアも多くいるため、ショートカットがあり、開発者にとって使いやすいというのも良い点です。

普段翻訳をしているもの、翻訳が必要なシーンは、
どういったところが多いのでしょうか?

仕様書の翻訳や、メールの問い合わせの翻訳に使っています。
今ですと、海外向け製品のサポートをやっているのでそういったものの翻訳でも一部利用しています。 弊社の場合、社内向けのコミュニケーションは、基本すべてkintone上で行っています。
 kintoneで作ったマニュアル類やFAQの英語化もDeepLを活用して進めています。 また、ブラウザの拡張機能を利用して、ページをまるごと翻訳しています。

すでに全社横断的に多くの方々にDeepLをご利用いただいているということですが、導入プロセスの中でどのようなチャレンジがありましたか?

もともとDeepLを有償契約していたチームが複数あり、DeepLとは何かをほぼ全員が分かる状況ということもあり、導入に関して大きなチャレンジはあまりありませんでした。 セキュリティ的に有償契約のDeepLを利用してほしいというのは弊社の社内ルール上あったのですが、
利用者にアカウント管理や契約も一任している状況でした。そこを今回、情報システム部門で取りまとめて、希望するメンバーにライセンスを付与する方針で全社展開しました。 SSOを使ってユーザー側でセルフサインアップしてアカウントを作れるようにし、アカウント上限に達した際に自動で利用されていないアカウントを無効にするなど管理の部分で、情シスの負担も軽減しつつ、ユーザーのメリットも大きく得られるような形で導入するということができたというのが今回の大きなポイントです。

Shuichi Suzuki standing in front of Cybozu sign

ROIが測れないツールを使うのはなかなか難しいというようなお声をいただくこともありますが、貴社では全社的に導入する際にROIを検討されることはありますか?

ROI よりも、目に見えて課題となっていることに対する解決手段として今回はツールを導入しています。今回でいうと言葉の壁という課題を社内で感じるケースが増えてきたという背景があります。日本語を母国語としないメンバーが増えることで、全社に向けて掲示するときは日本語だけでなく、英語も記載しないと伝わらない人たちがいたり、普段のコミュニケーションも英語を併用しないと議論が伝わらないというケースが出てきました。みんなに伝わるコミュニケーションを情報システム部門として支援していくためにツールを導入しています。 ROIとして翻訳にかかっていた時間やコミュニケーションにかかっていた時間がいくら削減できたかというのは出せなくはないと思いますし、その効果も確かに感じています。 ただ、それ以外に、現時点で自分が導入した効果と感じているのは、海外のメンバーから相談されやすくなったというものです。私のコメントがメンバーの母国語で書かれていて、内容も理解できるもので、ニュアンスも伝わるようになるとメンバーとしても相談しやすくなり、言葉の壁と呼ばれている部分が減ってきたと感じることが多いです。 これがたんなる自分の実感ではなく、事実としてそうなのかも知る術が難しいですが、そういった定量的な数字で出せないよさがコミュニケーションに活かされている部分というのもあるかと思い ます。

言葉の壁、コミュニケーションの壁がなくなることによって見えてくる世界や、将来的な展望などをお聞かせください。

情報システムの視点で言うと、なるべく情報格差や拠点による格差を減らしたいという思いがあります。グローバルで戦っていこうという会社になると、よく、いつでもどこでも、時間も場所も問わずに働けるということが大事だといわれますが、最近感じるのは、「誰とでも」というのが弊社としては大事になってきている、ということです。 コロナ禍を経て、多くの企業がリモートワークを導入し、いつでもどこでも働ける、ということは珍しくなくなってきました。では、サイボウズではその次になにが重要になってくるかというと、「誰とでも」です。多様性のあるいろんな考え方を持ったメンバーと一緒に働くというときに、最初に出てくる問題が言葉の壁です。その壁が無くなることで新しい働き方が見えてくるのではないかなと思っています。 日本国内だけだったら思いつかないようなアイディアも、グローバルで情報共有、コミュニケーションが取れるようになれば生まれてくるということがあると思っています。「いつでも、どこでも、誰とでも」というフェーズにサイボウズは入っています。その「誰とでも」を進める上で、言語が違う人たちが誰とでもコミュニケーションがとれるというのが、最初の大事なステップだと考えています。


事例の詳細や他のユースケース、業界での活用についてご紹介しながら、貴社での言語AIの活用をサポートします。こちらからお気軽にお問合せください。

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